好きなことを・・・
その選択肢が必ずしも最善とは限らない。目に見えぬ何かが、あなたを導いてくれることだって有り得る。後から思い出すと、あの時違う選択肢を選んでいて良かったと感じる日が来るかも知れない。
先日、散髪しに馴染みの床屋さんへ行って、その時店長さんと話したことである。
好きなことを仕事に出来るというのは相当な幸運で、そういうことが出来るのはほんの一握りの人かも知れない、と。
確かにそうかもと感じた。自分の持てる技量を遺憾なく発揮できるし、何より自分自身で独立しているという、自負も芽生えるだろう。
最近つとに思うのだが、安定とはなんだろうかということである。
現代は、たとえ大手企業であろうが安心は出来ない。公務員であっても、国の法律がもしも変わってしまえば、どうなるか分かったものではない。
誰しも、何かしら不安や悩みを抱えつつ生きていると思う。
一昔前までは、一生同じ所に勤め続けるのが美徳とされていたが、そのような価値観は失われつつある。
転職するのが当たり前、しかも一度や二度ではない回数でおこなわれていくという時代が来るなどと、一体誰が予想できたであろうか。
とはいっても、日本では数多く転職を重ねた人間は、未だにいまいち信用されない。
『履歴書が汚れる』とは、こういうことを指していうのだろう。
人にはそれぞれ抱えている事情がある。働きたくても働けない人もいる。
仕方なく転々とした人もいるだろう。
ストレスに耐え切れずに辞していった人もいるだろう。
であるから、決して一つの物差しでは量れないと思う。
無理して働いて、心身を病んでしまうのならば、一体全体働くとは何ぞやと感じてしまう。
生きることは辛いことという人がいる。逆に生きることは簡単だという人がいる。
私はどちらも正解とは思わない。それぞれの立場で見方が変わるからだ。
お金にや生活に何ら困っていない人は『お金が全てではない』というが、その日の暮らしにも困っている人や貧困層に該当する人は『綺麗事をいうな』と思うだろう。
正直、そういう議論は私は興味がない。
そういうことに熱を上げるよりも、今自分がやらなければならないことをやるのが先。
せめて、自分が目指すものに少しでも近づけるよう努力したい。
ただでさえ私は、他の人よりも人生の歩みが遅い。