シナリオライター
苦手だと思えたことでも、やってみると意外と向いていることに気付けたりする。それは新しい発見である。
最近、シナリオライターとして仕事を受け始めた。
以前、作家をしていた頃は、短編のエッセイ等を中心に執筆していたので、シナリオ等は一切書いたことがなく、初めての試みであった。
事前にトライアルがあり、ものは試しだと応募してみたところ、なんと通ってしまった。
実のところ、物書きをしていて、こうして認められたのは初めてである。
昔は必死だった。余裕が全くなかった。初めて書いたデビュー作の宣伝をするのに懸命で、常にイライラしていた。
そもそも視野狭窄の状態になっていており、楽しんでやるということすら忘れていた。
絶対に、作家として身を立ててやると意気込み、それがいつしか重荷に変わっていたように思える。
しかし、書くことが好きであるのならば、何も作家という枠組みに囚われる必要などなかったのだ。
『ライター』として生きようとするならば、いくらでも方法はあった。
しかし、それに気付けなかった。全くもって世間が狭かったのだ。
最近、この歳になり、ようやく気付けた。
それだけでも大きな収穫であり、今後に活かせるだろう。