好きな作家
今回は、いつものお堅い雰囲気から変わりまして、お題に挑戦してみようと思います!
さて今回のお題は、『好きな作家』です。
私の好きな作家は、もうお亡くなりになっていますが、ハードボイルド小説の巨匠、大藪春彦氏です。
大藪氏に関しては、名作といえるものが数多くあり、映画やドラマ化されたものも数多くあります。
氏の著作はどれも個性的で好きですが、一番はまったのは、蘇える金狼です。
大手企業、東和油脂に勤務する温厚で真面目な好青年である朝倉哲也。しかし、それは表の顔で、裏の顔は自身が会社を食い物にできる立場にのし上がろうとする野望溢れる男。
その為に数年間、体力の養成と特殊技術を培う為に、生活費以外の給料を全てつぎ込み、負けてもともとの勝負に命をかけるストイックな面が、なんとも心を揺さぶります。
氏の特徴として、車や銃器に関する描写が、非常にリアリティがあるというものがあります。
これは氏が実際に、車や銃器に関して造詣が深いことが関係しています。
車や銃器に詳しくない人、理解していない人であっても、氏の文章を読めば、あたかもその場にいて運転している、銃を手に取っているかのような感覚になります。
要するに生きた表現力なのだと思います。私も色々な作家のかたの書籍は読んでまいりました。
それぞれ個性があり楽しいのですが、氏の表現力は、群を抜いていると言っても過言ではない気がします。
私が、蘇える金狼の小説を購入したのは、今から約20年ほど前になります。今でも大事に手元にあります。何回も何回も読み込んだので、ボロボロになっています。
それを布ガムテープで補強していますが、今でも時折手に取る事があります。
周りの人からは、彼の書籍ばかり読むなと言われた事もありましたが、本当に好きなものは好きで良いではないかと思います。