MASARU Reignite Blog

創作の火は絶やさない。Reigniteする物語と音楽の記録。

ベセスダ界隈の騒動について思うこと。 ――AIより先に、人を軽く見てはいけない。

どうも。MASARUです。

いやぁ、最近梅雨明けしたと思ったら、途端にこの暑さですわ。
先日は、早くも軽い熱中症になりまして、往生しました。笑

私が子供の時分には、30度を超える暑さなんて、ここまで当たり前ではなかった記憶があります。
クーラーや冷房を点けずにいても、扇風機と打ち水と、網戸にした窓から入る風で、なんとか涼しく過ごせたものです。

さておき。

最近、ゲームメディアから気になる情報が飛び込んできました。

『The Elder Scrolls 6』開発への影響を現職&元スタッフが懸念
―XBOXの大規模レイオフがベセスダに直撃、27年越えベテラン社員の離職も
Game*Sparkより

私もいくつか情報を確認してみましたが、大まかな流れはこうです。

Microsoft/Xboxは、Xbox事業の大規模な再編として、FY27を通じて約3,200人を削減し、そのうち約1,600人を即日削減すると発表しています。対象はActivision、Bethesda/ZeniMax、Blizzard、King、Mojang、Xbox Game Studiosなど広範囲に及びます。Xbox公式メモでは、発表済みのファーストパーティ作品やプロジェクトは今回の削減でキャンセルされないとも説明されています。

しかし、問題は「キャンセルされないなら大丈夫」という話ではない、という点です。

Bethesda Game StudiosやZeniMax周辺にも影響は及んでおり、OneBGSによれば、Bethesda/ZeniMax関連の組合ポジションで計440人が削減対象になったと報じられています。またWARN通知では、id Softwareで96人、ZeniMax Online Studiosで213人、ZeniMax Mediaで166人などの削減も伝えられています。さらにOneBGSは、7月15日にモントリオール、ロックビル、オースティン、ダラスで抗議マーチを予定しているとのことです。

加えて、Bethesdaに長年在籍していたベテランスタッフの離職も話題になっています。たとえば、Game*Sparkは、LinkedIn上で27年以上Bethesdaに勤めていたChristiane Meister氏が2026年7月に離職していることを紹介しています。彼女は『Morrowind』から『Skyrim』、さらに『Starfield』関連にも関わっていた人物とされています。

さらに、Obsidianにも波及しています。Bloomberg報道をもとにした複数メディアによれば、Obsidianは複数プロジェクトをキャンセルし、その中には『Avowed』続編も含まれるとされています。そして、同スタジオは新たな『Fallout』作品に着手し、その指揮を『Fallout: New Vegas』や『Pentiment』で知られるJosh Sawyer氏が執ると報じられています。ただし、これは現時点では「Obsidianによる新作Fallout」と報じられている段階であり、正式に『Fallout 5』と断定されたものではありません。

……えーっと、これは。

正直、嫌な予感しかしません。

レイオフは、どの企業でも起こり得るものです。
しかし、優秀な人材を大量に切れば、組織には空洞化が起きます。

ゲーム制作というのは、単に人を入れ替えれば同じように回るものではありません。
特にBethesdaのように、長年独自のツール、独自の開発文化、独自の作法を積み重ねてきたスタジオであればなおさらです。

人材というものは、一朝一夕には育ちません。
大金を積めばすぐ集まるものでもありません。

ベテランが現場にいて、若手に教える。
失敗しそうな仕様を止める。
そのキャラはそんなことを言わない、そのクエスト構造だと後で破綻する、そのUIでは初見のプレイヤーが迷う。
そういう、表に出ない知識や勘所が作品の質を支えているはずです。

MicrosoftはAI関連にも巨額の投資をしています。
もちろん、Microsoft側は今回の削減について「AIが直接人員を置き換えたものではない」と説明していると報じられています。ですが、AI関連インフラや開発コストが膨らむ中で、大量の人員削減が行われているのも事実です。

では、抜けた穴はどうするのでしょうか。
まさか、AIに補わせるつもりなのでしょうか。

いやいや。
AIはあくまでも道具です。

道具を使いこなすのは人間です。
AIに指示を出し、出てきたものを判断し、修正し、責任を持って完成品にするのも人間です。

その人間を切ってどうするのか。
後進の指導や育成はどうするのか。
作品作りの秘伝のような部分は、誰が引き継ぐのか。

この状況で『The Elder Scrolls 6』を作る。
さらに新作『Fallout』も動かす。
将来的には『Fallout 5』もある。

本当に大丈夫なのか、と思わざるを得ません。

『Fallout 5』については、Todd Howard氏が、Amazonのドラマ版『Fallout』の出来事を考慮した世界になる、という趣旨の発言もしています。ドラマ版の展開そのものが悪いという話ではありませんが、ゲーム本編の世界作りに外部メディア展開が強く影響するなら、それはそれで不安材料にもなります。

私としては、Bethesdaはもはや昔のBethesdaではないと思っています。

スタッフとの距離が近く、良くも悪くも手作り感があり、熱量に溢れていた時代とは違う。
今は巨大企業に組み込まれ、その中の一部門として動いている。
そんな印象を受けます。

そして、Bethesda作品といえば、MOD文化も重要です。

『Skyrim』や『Fallout 4』、そして原作版の『Oblivion』が長く遊ばれてきた理由のひとつは、間違いなくMODコミュニティの存在です。
私のXのフォロワーさんにも、『Fallout 4』や『Skyrim』、『Oblivion』のスクリーンショットを投稿している方が多くいます。そういうファンの熱量があったからこそ、これらのシリーズはここまで長く愛されてきたのだと思います。

ところが最近の流れを見ると、MOD文化を本当に大事にしているのか疑問を感じる場面もあります。
たとえば『Oblivion Remastered』は公式MODサポートがないと報じられています。
また『Fallout 4: Anniversary Edition』では、本編と6つの公式DLCに加えて、150以上のCreation Clubコンテンツが含まれると公式に説明されています。

もちろん、有料コンテンツそのものが悪いとは思いません。
プロが作ったものに対して、正当な対価を受け取るのは当然です。

ですが、問題は中身です。

金を取るなら、金を取るに足るものを出してほしい。
薄い装備セットや小物を大量に詰め合わせて、「はい、有料です」と言われても、私は正直、魅力を感じません。

MOD文化は、ユーザーの愛情で育ってきたものです。
それを公式が囲い込んで、単なる収益棚のように扱うのであれば、プレイヤーの熱は冷めていくと思います。

私は、今後の『The Elder Scrolls 6』も、新作『Fallout』も、発売されても買わないと思います。
理由は単純です。
今の体制と流れを見て、信用できないからです。

バグが少なく、世界に密度があり、キャラクターに魂があり、MOD文化も尊重されている。
そういう作品が出てくるなら話は別です。

しかし、現場の人材を削り、ベテランが去り、組織の空洞化が進み、その一方で巨大IPだけを前に押し出す。
その状態で、本当に昔のようなBethesda作品が作れるのか。

私は、かなり厳しいと思っています。

ゲームはIP名だけで作れるものではありません。
作るのは人です。
支えるのも人です。
育てるのも人です。

AIも、資本も、ブランドも重要でしょう。
しかし、それを使いこなし、作品として形にする人間を軽く見た時点で、創作は弱くなる。

今回の騒動を見て、私は改めてそう感じました。

いい加減にしろ。買わねえよ!